『愛されてる証拠じゃないか』
『いや、あいつは俺を信用してないだけですよ』
『俺だって、信用されているかどうかは怪しいぞ?』
『怒らないってことは、そういうことです』

何故か白石は確信を持ったように断言すると、その後は、しばし彼女の愚痴を聞かされる。

その愚痴をBGMのように聞きながら、窓の外を眺めると、通り沿いにはところどころクリスマスを意識したイルミネーションが並び、否が応でも今日がその当日であることを意識せざる得ない。

…柚希はあれからどうしただろうか?
あのまま帰ったのか?それとも、誰か誘って食事にでも…?

自分がドタキャンしておきながら、クリスマスに自分以外の誰かと過ごす柚希を想像して、それが男はもちろんのこと、女性でも嫌な気がして、思わず自分のエゴに呆れて、白石に気づかれないように、自嘲する。