転機が訪れたのは受験も終わって落ち着き始めた高3の秋だった
私の誕生日プレゼントにと友人が大学バレーを一緒に観に行こうと誘ってきたのでもちろん快諾した。
その時期、大学には全日本バレー期待の星と呼ばれている横山選手も在籍していたがためにその人目当てで試合を観にくる人で会場は溢れかえっていた。
私たちもその人目当てで行くようなものだった。
その人の試合を終えた次も他大学同士で試合は続いた。
せっかく観に来たんだし、飽きるまで観てから帰りたいという私のワガママに付き合ってくれた友人には今でも感謝している。
横山さんの大学が引いたと同時に客席も空席が目立つようになった。
次の試合スケジュールを確認するためパンフレットを開くと同時にウォーミングアップが始まった。
コートに目を移すと見つけてしまった
実物なんて見たことなかったのに一瞬でわかった
この時ばかりは目が悪いとか関係なく、間違いなくあの人だと思った
