私は高校2年生になった。
それと同時に彼は福岡を離れ、関東にあるバレーの強い大学に入学した。

彼がアップしてくれる写真やツイート内容を見るのが日課だった。

「先輩に貰ったコーラ開けたら全部中身出てきて最悪〜笑
先輩振ってたなら一言くださいよ」

なんていうお茶目な発言もたまに見せるかっこいい発言も好きだった。

たまにコメントをすると丁寧に返してくれる、その優しさに毎回ドキドキして、好きが募って、高山に報告するたびに呆れられた。

でもその幸せは長くは続かなかった。

夏休みも終わった頃、彼の大学でファンと選手間で揉め事が起きて大学側がSNS禁止令を出した。

これにより、彼のことがわからなくなった。
今、なにをしているのか?
どんな音楽を聴いているのかな?
元気にしているかな?

そこに立て続けに彼に恋人ができた。
その事実を受け止めることができなくてただただ呆然とするばかりだった。

「おっは〜、うっわ綾瀬なにそのくらったい顔」

「高山ぁあ〜!聞いてよ!!!!永井くんに!!」

ショックでその日はことはもうあまり覚えていない。

でもこれを機に私も永井くんから卒業することを決めた。
彼に好きな人がいる、報われないことはもうわかっているから諦めよう。
忘れよう。
ゆっくりでいいから忘れてしまおう。

来年は受験生だから恋だの愛だの喧しいなんて言い訳をして頑張って彼を忘れようとした2年の冬