高1の冬

雪もちらつく年明けも間もないある日、こたつでミカンが定番だが、そうではなくお雑煮を頬張りながら、わたしは溜まっている録画リストを眺めていた。

学校はない。
いい子に過ごしていたから補習に呼ばれることもなかった。
友達や家族と出かける予定はなければ、福袋を買いに行く気力もない。
今年の冬休みは寝正月を決め込む気でいた。

ん???

「春の高校バレー」このタイトルに覚えはなかった。
きっと気になっていたドラマを自動予約していたせいで、ドラマが終わってからもその時間帯に放送されていた番組を録り続けていたのだろう。
随分、機械も進歩した時代になった。

春の高校バレーとは1年に1回、1月に行われる全国大会のことで唯一テレビで放送される大会として有名だ。

バレーと言えば、ニッポンチャチャチャかなって思い浮かぶくらいだった。
バレーは腕が痛くなるから嫌いだ。

自分がプレーするのは気が引ける。
見る分ならそんな気を起こすことはないだろう。

ちょっとした興味本位で見てみることにした。
どうせ時間は余るほどある。

そんな心持ちで見たのが間違いだった。