もうすぐ夜が明ける。

 もし私に翼が生えたら、それは病気とみなされる、と思った。
 
「残念だ。君には素質がある」

「翼は病気なの」

「今夜の記憶は、全部消させてもらう」

「勝手にして」

 すると妖精が光の粉となって、畳に吸い込まれた。