「やっぱり!一目でわかったよ!」
 
 
と、彼が笑顔で私に言ってる時だった。
 
「コイツ…クラスで浮いてる奴だぜ…」と、
彼の隣にいた男がはっきりと私に聞こえるように言う。
 
 
「そう…」
 
 
彼はそれを聞いて、少し私から遠ざかる。
 
 
人気者はやっぱり浮いている人が嫌いなんだ…
 
私は何も言わずに走って自分の教室へ戻った。
 
 
彼が「待って!」と言った気がしたが、
私はそんなことなど気にできる状態ではなかった。
 
私は机に突っ伏した。
するとあの時の事が鮮明に蘇った。
 
 
もう恋はしない。
そう決めていたのに、
時間が経ってゆくと次第に忘れてしまっていた。
 
 
私の恋は…
 
 
きっと成就しない。
 
 
 
神様がそうしているんだ。
 
神様がきっと「あなたには幸運が似合わない」と言っているんだ。
 
これからもきっと不幸が襲ってくる。
 
 
 
もう…諦めようかな…?
 
 
 
諦めてしまえばこんな思いをする事もない。
 
でも…
それができない。
できないから辛い。
 
 
 
私は本当の気持ちを胸の奥に封印をした。
 
本当は好きなのに…
 
好き…
 
嫌いにはなれない…
 
暴れる私の心。
 
でもその心を、私は無理矢理鎖で縛った。
 
 
 
 
 
涙があふれ出た。
 
 
話した事だって滅多にない。
 
 
でも…
 
 
でも…
 
 
忘れないんだ。
 
 
今まで一目惚れなんてした事なかったのに…