「俺は君のこと、心配してるんだよ」
 
「ぁ…」
 
 
少し声が出た。
 
 
「何?言ってみ?」
 
「煙草…なんです」
 
「煙草…?」
 
 
もう隠す事なんて出来なかった。
 
 
「はい。煙草の煙が…」
 
「煙草って…!!」
 
 
彼は眼を大きく見開いた。
 
 
「美恵か!」
 
 
呼び捨て…?
 
 
「美恵…だよな」
 
「は…い」
 
 
勇気を出して言う。
 
 
「どうして知ってるんですか?戸山さんの事」
 
「カノジョなんだよ…」
 
 
ショックだった。
 
まさか美恵と付き合っているなんて…
 
涙をこらえる。
 
溢れそうだった…
 
 
「アイツ…またケガさせやがって」
 
 
私は半泣きになっているのを知られないように聞く。
 
 
「また…?」
 
「ああ、アイツいつも誰かにケガさせんだよ」
 
「・・・」
 
「ブッチャケ言うと美恵とはもう別れたいんだ」
 
 
私って酷い・・・
 
「別れたい」って言葉を聞いた時、
私は喜んでしまった。