最初はただ、綺麗な姉さんだなって思っただけだった。 悟と同じ血が通ってるだなんて信じられないな、なんて。 それなのに、会う度に彼女を知っていって。 綺麗な容姿のくせに天然で、全然年上らしくないところとか。 弟の悟が大好きで、友達の俺にもあだ名を付けてくるところとか。 『あっくん』 彼女がそう俺を呼ぶ度に、ドキッとしている自分に気が付いてしまったんだから。 「……仕方ねぇだろ…」 好きだと、そう自覚してしまったが最後。 俺は、彼女のことしか考えられなくなってしまったんだ。