*** 「しっかしまぁ、暁斗が姉ちゃんをね〜…」 「マジでうるさい。だからお前には言いたくなかったのに」 「でもお前、俺がいないと姉ちゃんに会えねーだろ?」 「………」 帰り間際になって、また悟はその話を持ち出してきた。 確かに悟の言う通り、悟がいないと俺は彼女に会う機会がない。 それが図星すぎて、文句の一つも返せなかった。 「でも姉ちゃん、彼氏いるぜ?」 「知ってるよ、そんなの」 そんなの、とっくに知ってる。