「さーくん?誰か来てるの?」 「あ、こっち来る」 「……っ」 パタ、パタ、と、スリッパの音がこっちへと近付いてくる。 ガチャっと扉が開けられて、その綺麗な栗色の髪の毛が、ふわっと揺れた。 「あっ、あっくんだー。いらっしゃい」 「…お邪魔してます、沙絢さん」 「ふふっ。はい、お邪魔されてます」 ニコリと笑う彼女─────悟の姉さんは、今日も凄く綺麗だった。