「風邪引きますよ、沙絢さん。こんな時間まで何してたんですか」
「えへへ〜。友達と飲みに行ってましたー」
「…それは今の沙絢さん見ればわかります」
「さすがあっくん!」
いい子いい子、だなんて俺の頭に手を伸ばそうとしてくる彼女は、どう考えても様子が変。
それはお酒を飲んでるからとか、そういうことではなくて。
─────スッ…
「…っ、」
「何か、あったんですか?」
泣いてるくせに笑うのが、俺には不自然で仕方なかった。
涙を拭う俺を、潤んだ目で驚いたように見上げる彼女。
…あーあ。こんなに目を赤くして。



