「わ〜、あっくんだー」 「っ、ちょ…」 「あっくーん」 ヘヘッと笑って俺の腕に絡みついてくる彼女は、どっからどう見ても正気じゃない。 …酔ってる、この人。しかもかなり。 こんなフラフラになって、しかも夜道で。おまけに雨に濡れて服も透けている。 襲われるよ、あんた。 そうは思ったところで、きっと今のこの人には通じない。 ひんやりとしながらもじわじわと熱くなる右腕に、必死で理性を働かせた。