放課後、図書室の一番奥に来て。

ってメールをもらって、息を切らせながら指定の場所へ向かう。


「お、お待たせしましたっ」


そこにはすでに先輩がいて、慌てて駆け寄る。


「息切れするほど急いで来たの?」


先輩は楽しげに笑って、私の前髪を優しく整えてくれた。


「だって、あの……は、早く会いたくて」

「ははっ、ももちゃんはストレートだなぁ」


先輩はポケットに手を突っ込んで本棚に寄りかかった。


「バレンタインのお返ししたいから、ちょっとだけ目つむってて」

「えっ……は、はい」


不安と期待の1ヶ月……私は覚悟を決めて目を閉じた。

カサカサと音がして。

先輩が近づいてくる気配。

唇にやわらかい感触がしたあと、甘くて硬いものが口の中に入ってきた。


なに……キスと、飴?


目を開けると、先輩はぎゅっと私を抱きしめた。


「チョコありがとう。俺も大好きだよ」