お昼休み、教室に突然やって来て。
半ば強引に手を引かれて歩いてきたけど……
着いた場所は、校舎の裏で。

「どうしたんですか?」

訳がわからず、蒼一さんを見上げる。

「本当は朝一番にしたかったんだけどさ。ちょっと、後ろ向いて」
「はい……?」

言われるまま、蒼一さんに背を向ける。

「おまえ、人目を気にするから」

背後から手が伸びてきて。

「誕生日、おめでとう」

蒼一さんに、後ろからぎゅっと抱きしめられた。

「あ、ありがとう……ございます」

大きな体にすっぽり包み込まれて、ドキドキが止まらない。

「好きだよ」

甘いささやき声が耳をくすぐる。

「私も、大好きです」

振り向くと、蒼一さんは微笑んでキスをくれた。

「俺のもんって、目印つけとかないとな」

体が離れて、首に冷たい感触がした。

下を向くと、銀色のチェーンが掛けられていて、その真ん中には蒼い石が輝いていた。