「ルカ!」

聞き慣れない低い声に振り向くと、美形な青年が駆け寄ってきた。

「やっと見つけた……会いたかった!」

抱きつかれて、一瞬思考が停止した。

「だ、誰…?」

彼は私のことを知ってるようだけど……

「ボクのこと覚えてないの?」

すると、彼は悲しそうに眉尻を下げた。その表情には見覚えがあった。

「うそ……カイくん?」

私は、イギリスへ引っ越してしまった幼なじみのことを思い出した。

「Yas!」

再び、私を抱きしめる彼。

「約束は? 覚えてる?」
「……うん」

一気に当時の記憶が蘇ってきて、私はうなずいた。

10年前のクリスマス、彼が旅立つとき。泣いてる私に、約束してくれた。

『おとなになったら、ボクがルカのサンタになる』

そして、迎えに来てくれる、って……

「I love you forever」

きらめく大きなツリーの下、彼は私の額に優しくキスした。