「ごめんなさい。私.......私やっぱり倖羽のこと...好き。」


私がそう答えたとき、幸人の目は悲しみにくれていた。


その瞬間、何かに背中を殴られた。


「おまえさ。調子乗ってんじゃねーぞ!」


そう言って殴ってきたのは幸人だった。




あんなに優しかった幸人は.......なんで。



なんで私に関わった人はみんなかわっていってしまうの?




涙が溢れそうになった瞬間。




誰かが私の腕を引っ張った。

それは、私の大好きな倖羽だった。



倖羽は私の腕を引っ張って走り出した。


走り終えた倖羽は私に

「おまえさ。なにやってんの?」


と言われた。



「ごめん。あの......」


「心配させんなよぉ。」

倖羽が少し照れくさそうに言った。



「でも倖羽、私のことを大嫌いでしょ。」


「.......」


「なんで助けたの?私のことを嫌いなのに。どうなったっていいって思ってるくせに。」


「そんなふうに.......そんなふうに優しくするから、....私、誤解しちゃったんじゃない。」


そう泣き崩れる私を倖羽は強く抱きしめた。