「東京ってどんなところー?」
「東京から来たわりにはケバくないね?」
「東京って電車の中で話したら降ろされるってほんとですかー?」
「いやそれはないだろさすがに」
みんな "転校生" よりも "東京" に興味があるみたいだ。次々飛び交う質問になんて言っていいかわからないでいると、
「そういう質問はあとで個人できけ! ふたりに関しての質問はないのか?」
先生がそう言うとクラスがシーンとして静かになった。
「はいはーい! 俺、言いたいことある! 」
すると一番前に座っている男の子が手を挙げた。明るい髪にパーマがかかっていて右耳にだけシルバーのピアス。
おしゃれな男の子だなぁ、と思っているとその男の子は不思議そうな顔で言う。
「ふたりって双子だよな?‥‥なんか、ぜんっぜん似てなくね?」
その言葉に、心臓がドクンッと音を立てた。
「あ‥‥っ、」
クラスの子たちが「たしかに」、「言われてみればそうかも」と言って私たちの顔をまじまじと見つめる。
震えが止まらない手。背中にツーと冷や汗がつたう。フラッシュバックする光景。
ーーー『お前ら "ふたご" のくせに顔似てなさすぎだよなぁ!?』
『当たり前だよ。 だってふたりはーーー、』

