「じゃあ紹介する。ふたりとも入ってきてくれ! 」



教室の中から先生の声が聞こえた。あおが先頭で教室に入る。緊張マックスな私は少し俯き気味であおの後ろをついていった。


そして前を向いた瞬間聞こえたのは、黄色い叫び声と興奮したような声。



なに!?



「男子じゃん!!イケメン!!」
「女子だ!オアシス!」



‥‥なるほど。


口々に飛び交う言葉を聞いて一人で納得。ここは田舎だからそもそも転校してくる人なんてそんなにいないだろうし、クラスもひとつしかない。そんな中でイケメン男子とブスではない(と思う)女子が来るのは嬉しいよね。



「おい静かにしろ! まずは自己紹介してもらう」



きた。結局なにを言うか全然決まってないけど適当にやり過ごそう。



「春木あおです。よろしく」


「春木せなです! 東京から来ました。えと好きなことは、お菓子を作ることと食べること、で、す。最近ハマっていることは映画観賞です。ちなみにオススメの映画は "ドキドキ☆イケメン花園" です! まだここに来て間もないので色々教えてくれると嬉しいですよろしくお願いします! 」



色々詰め込みすぎた私と冷たすぎるあおの自己紹介。クラスの人たちが引いてる気がする。



「ハハ。元気な自己紹介ありがとうな。
じゃあ、ふたりに質問がある人いないかー?」



先生がそういった瞬間、様々な質問が飛び交う。