「お前、無防備すぎ。……これだから氷室も…」


「…?」



ゴニョゴニョと呟いた。

そうこうしている間にあっという間に家に着いてしまい、



「…じゃ、じゃあねっ」



2人でいるのも何となく心苦しかったので、私は急いで家に入ろうとした。



と、その時。



「待って!」



ドアノブに手をかけようとした瞬間に、後から大河の声が追ってきた。

ゆっくり振り返ると、やっぱり何か不安そうな顔をした大河が口を開く。



「…きょ、今日は行くから」


「…え?」


「……夜、行くから」


「…っ!」



久しぶりに大河が私の部屋に来る、そういう意味らしい。


私は少し戸惑ったが、



「…待ってる」



いつもと変わらない笑顔を大河に向けて、家の中へ入っていった。