そして…

コンコン

「命子ちゃん、おはよう!」

「あっ、先生!おはよう!」

「回診に来たよ。さっそく服捲ってー」

「はーい。」

「…うん、今日も異常なし!」

「ねえ、先生、今日来る新しい人って男の人なの?女の人?」

「男の人だよ?大丈夫?」

「うん、別に関わらないしね!」

「ははは、関わってやれよー。」

「だって仲良くしてもどうせ…」

「まあ、そんなこと言わずにさ!」

「死んじゃうのに仲良くしてもねー!」

「明るく言えるのがすごいなー!」

「でしょ!」

そんなことではしゃいでいると、

「ここの部屋ですよ。」

「…はい。」

ガラッ

入ってきた。

「こんにちはー。ほら、命子ちゃんも!」

「…こんにちは。」

「こんにちはー。」

「この男の子は佐久間 叶多(さくま かなた)君だよ。」

「よろしくお願いします。」

「あ、えっとー、私は来栖 命子です。」

「まあ、仲良くしろよー?」

「はいはい。分かったから先生他の患者さんのとこ行かないと!」

「はいはい。すいませんねー!」

ピシャリ

じゃあ本でも読んで時間潰すか。

…パラ……パラ…

「ねぇねぇ、命子ちゃん?」

まじかよ。話しかけてくるとはね。

「何?」

「命子ちゃんは学生?」

「通えないけどね。」

「俺もだよ!少し前に病気になっちゃってさー、もう嫌だよ。」

「どれくらいで退院できるの?」

「1ヶ月くらいらしいけどね。」

「早く退院出来るといいね。」

「命子ちゃんは?」

「私は…」