狂おしい赤と鈴の音に酔いしれてー前編ー




「瑞希(みずき)!」



九十九に名を呼ばれて黒装束は抜刀する。



刀を振り上げ向かって来る二人の視界で捉えると、十六夜はまず九十九の攻撃をかわした。



その後向かって来る瑞希の顔に回し蹴りをする。



すぐに攻撃から防御に切り替えた瑞希は手で庇い、十六夜の足を掴んだ。



捕らえられた十六夜に九十九が攻撃を仕掛ける。



刀が振り上げられるのを見て、十六夜は咄嗟に目を閉じ刀の柄を握った。



『殺せ』



その時自分の中の何かがそう言った気がした。