その視線を受ける十六夜は相変わらず俯いたままだった。 九十九が刀を抜き、切先を十六夜へと向ける。 「お前はここで殺す。あの世でてめぇの大好きな奴らが少しでも長生きできるように祈ってな」 九十九が斬り掛かった瞬間、その場に十六夜の姿はなかった。 いつの間にか九十九の背後に回っていた十六夜の瞳は、血のように赤く輝いていた。