「なるほど。最初からそのつもりだったんだ」



震える声で呟く。



「私を長州の間者に仕立て上げて殺す名目を作り、間者たちが行動しやすくなったところで新選組を潰す。それがあんたの目的か?」



「俺にとっては幕府も新選組も長州も興味はない。この国がこれからどうなろうが知ったことじゃないんだよ」



九十九は心底どうでもよさそうに言う。



「ただ俺はお前さえ消せればそれで満足なんだよ」



十六夜に向けられた九十九の目は憎悪を宿したもので、それを見た間者たちは背筋を凍らせた。