狂おしい赤と鈴の音に酔いしれてー前編ー




本音を言ってしまえば楽だろう、自分の正体をばらしてしまえば楽だろうと思うのに失う恐怖がそうさせてくれない。



本当は十六夜ももう分かっていた。



これ以上隠していても自分のためにならない。



それでも言えないのは、九十九が新選組の人間を残らず殺してしまう可能性があるからだ。



自分の立場が危うくなってもそれだけは阻止しなければならない。



巻き込んでしまった彼らへのそれが唯一の罪滅ぼしだと思ったから。



「もう行きますね」



何も言ってこない土方にそう伝えて手伝いに向かった。