「待たせて悪いな。少し処理に手間取った」
辻斬りと戦った後だと言うのにけろりとしている男を見て、少女は驚きを隠せずにいた。
「それより何でこいつとまだ一緒にいるんだよ」
「こいつ宿無しらしいんだ。屯所に連れて帰ってやりたいんだけど、やっぱりダメかな」
「それはまずいだろ。そもそも帰る時間が遅くなったことで怒られるのに、更に怒られる理由増やしてどうすんだ」
「でも野宿させたらまたあんなのに襲われる可能性あるだろう。流石に放って置けねぇよ」
迷惑を掛けてしまっているこの状況が申し訳なく思い、少女も何かいい案はないかと考える。
ふと思いついて口を開いた。

