狂おしい赤と鈴の音に酔いしれてー前編ー






それから程なくして、新入隊士たちが入隊して来た。



その中には九十九もいた。



これは自分に対する脅迫であると自覚した十六夜は、自業自得だと己を責めた。



自分が新選組と関わらなければこのようなことにはならなかったのだから、それも当然だろう。



罪悪感から十六夜はどうかかわっていいのか分からず、皆を避けるようになっていった。



それと同時期にある噂が屯所内に流れ始めた。



十六夜が長州の間者なのではないかというものだ。



隊士の一人が夜な夜などこかに向かう十六夜の姿を目撃したというのだ。



疑惑を掛けられた十六夜はもはや長州の間者と決定しているかのように、周りから冷たい視線を向けられた。



屯所内を歩けば、陰口が聞こえてくる。



そんな生活に鬱屈していた。