「それだけ?」



「あぁそれだけだ。お前は何もせず、今まで通りに暮らしていればいい。もちろん正体もばらさずに」



十六夜は少し疑いながらも頷く。



「分かった」



十六夜の答えを聞いて九十九は満足そうに笑って消えていく。



残された十六夜の爪が食い込み血が出る程、手をきつく握り締めていた。