「ようやく見つけたぞ、十六夜」 自分の名を知っている。 それだけの情報でも十分に絞り込めた。 「誰の差し金だ!?」 「裏切者の貴様には知る必要のないことだ。拘束する!」 そう言って懐から短刀を取り出し、抜刀した。 相手の攻撃をかわすと、砂ぼこりを上げる。 相手を怯んでいる間に走り出す。 何も考えずにただただ走り続けている内に、いつの間にか背後の気配は消えていた。 その足で屯所に帰ると、門前で仁王立ちしている男が視界に入る。 それは鬼の形相の土方だった。