狂おしい赤と鈴の音に酔いしれてー前編ー






日暮れまで町をぶらぶらと歩き、四人は帰路につく。



十六夜がふと袂に手を入れると、櫛がないことに気付いた。



「すみません。先に帰ってもらっていてもいいですか?」



そう言い残してすぐさま走り出す。



「えっ!ちょっと!」



後ろから永倉たちの焦りを含んだ声が聞こえてくる。



当然だ。



彼らが見張ることを条件に外出許可を出してもらったのだから。



それは分かっているが、櫛を落としたことを知られたくなかった。



そんなことで失望するほど人間は単純じゃないが、それでも嫌われたくなかった。