話が終わると永倉がどこかに走って行く。 「永倉さん、どうなさったんですか?」 「まぁまぁ、ちょっと待ってな。すぐ分かるから」 原田にそう言われて大人しく待っていると、暫く経って永倉が戻って来る。 その手には先程店で見ていた可愛らしい桜柄の櫛が握られていた。 「ほら。今日の記念に取っとけ」 「でも……」 「人の厚意は素直に受け取っとくもんだぜ」 原田に諭されて、申し訳なさそうにしながらも袂にしまう。 「ありがとうございます。大切にします」 それを聞いて永倉たちは満足そうに笑った。