気が付けば十六夜は屯所にいた。 意識はあったはずなのに、屯所までどうやって戻ったのかは覚えていなかった。 部屋で土方と向かい合って座る。 「どうして抜かなかったんだ?」 沖田から報告を聞いた土方は手短に尋ねる。 「抜けないんです」 土方の問いに十六夜はただそれだけしか答えなかった。 それ以上は何も言わず、ずっと袴を握り締めていた。