巡察の時間になり、十六夜も土方の命令通り同行する。
安全を考えて組長たちの指示で動くように土方から言われた十六夜は斎藤の後ろを歩いていた。
「今はもう辻斬り騒ぎもなくなったし、わざわざ見回りする必要あるんですかね?」
「無駄口を叩くな。隊士たちに聞かれたらどうする」
やる気のない沖田を斎藤が窘める。
その光景を後ろで見ながら、十六夜や隊士たちは気まずそうに見ていた。
「長州浪士が出て来てくれるならまだいいですよ?長州浪士が出てこないのに巡察なんて時間の無駄だと思うんですけど」
「これも重要な隊務だ。組長のお前がそんなことを言っていては隊士たちに示しがつかんだろう」
隊士たちは見て見ぬふりをしてそれぞれ明後日の方向を見ている。
流石の十六夜も呆れてため息を吐く。
夜道には二人の話し声だけが響き、とても危険な巡察と言った雰囲気ではなかった。

