狂おしい赤と鈴の音に酔いしれてー前編ー




「何ですか、それ。普段の私が私ですよ。きっと永倉さんの気のせいだと思いますよ」



「そうかよ」



土方はまだ少し疑いの目で十六夜を見ていた。



何か思い至ったのか立ち上がり、箪笥から十六夜の刀を取り出した。



「総司と斎藤の巡察に同行しろ」



「今晩のですか?」



「あぁ、そうだ」



「分かりました」



本当は断りたいという想いが強かったが、土方の有無を言わさぬ眼力に押し負けた。