狂おしい赤と鈴の音に酔いしれてー前編ー




「てめぇは礼を言うか謝るかしかできねぇのか。ここに来た時からそれしか言ってねぇじゃねぇか」



「すみ……あっ」



「別に謝って欲しいわけじゃねぇよ。ただそう思ったから言っただけだ。てめぇは堅苦しいんだよ。肩の力抜けねぇのか」



「それは土方さんも同じような気がします。それにどんな時でも警戒心を緩めるなと教わってきました」



土方はふと思った疑問を口にする。



「お前はこの間もそんなこと言ってたな。敵対する相手に捕まったら命を絶て。そして今てめぇが言った言葉。それは一体誰に教わったんだ?」



土方の質問に十六夜は何も答えようとしない。



「お前は時々虚ろな目をすることがある。永倉がそう言ってやがった。俺もお前の変化には気付いているつもりだ。それが本当のお前ならいつものお前は何だ?」



一瞬十六夜は驚いた顔をしてからクスクスと笑い始めた。