「私はどうしてこんなに弱いんだろう。また逃げたいなんて……」
十六夜は嘲笑して屋敷の中に入った。
廊下を歩いていると前から組長たちが歩いてくる。
声を掛けるか迷っていた十六夜の名を藤堂が呼んだ。
「さっきはびっくりしたぜ。お前意外と強いんだな」
「そんなことはないですよ。それより先程はすみませんでした」
「大丈夫だって。俺は気にしてねぇからお前も気にすんなよ」
明るく言う藤堂に元気付けられながらも、頭の中を組長たちの会話が過る。
「土方さんにも謝ってきます」
顔を合わせていられなくなってその場から逃げるように去った。

