狂おしい赤と鈴の音に酔いしれてー前編ー




「私はどうしてこんなに弱いんだろう。また逃げたいなんて……」



十六夜は嘲笑して屋敷の中に入った。



廊下を歩いていると前から組長たちが歩いてくる。



声を掛けるか迷っていた十六夜の名を藤堂が呼んだ。



「さっきはびっくりしたぜ。お前意外と強いんだな」



「そんなことはないですよ。それより先程はすみませんでした」



「大丈夫だって。俺は気にしてねぇからお前も気にすんなよ」



明るく言う藤堂に元気付けられながらも、頭の中を組長たちの会話が過る。



「土方さんにも謝ってきます」



顔を合わせていられなくなってその場から逃げるように去った。