狂おしい赤と鈴の音に酔いしれてー前編ー






近藤と別れて玄関先に戻るが、そこに組長たちの姿はなかった。



屯所の中を歩き回って探すが、姿が見えない。



ふと話し声が聞こえて足を止めるとそこは土方の部屋の前だった。



「すまねぇ、土方さん。迂闊だった」



「済んだことを言ったところでどうにもならねぇ。それよりももう少し監視を厳しくする必要がありそうだな」



「ただ行動を制限するとこちらの考えがばれかねません。ここは組長の誰かを常に十六夜の傍につけて見張るのが一番いいかと」



「そうだな」



組長たちの会議を盗み聞きし、十六夜は踵を返す。



これ以上聞いたところで自分には何の得にもならない。



どこに向かう訳でもなく歩いていると、いつの間にか門までやって来ていた。