狂おしい赤と鈴の音に酔いしれてー前編ー




「私も昔はよく抜け出したものだ」



「近藤さんもですか?」



「あぁ。ずっと稽古稽古で嫌になってな。でも逃げずに向き合えば必ず結果がついてくる。だから君も諦めてはいけない」



それを聞いて考え込んでいたのが馬鹿らしく思えた十六夜は思わず笑ってしまった。



近藤は優しい眼差しでそれを見つめる。



「何かあったらのならいつでも相談してくれていいからね。君ももう我々の仲間なんだから」



「ありがとうございます。今はまだ話せないですけど。いつか必ず私の過去についても話します。待っていてくれますか?」



「あぁ」



十六夜は心が温かくなっていくのを感じた。



ここでならもう二度と同じ間違いはしない。



そう不思議と思わせるものが彼らの中にはあった。