「どうかしたのかい?」 廊下を歩く近藤が十六夜の異変に気付いて声を掛ける。 十六夜はいつもの表情を作って、顔を上げた。 「何でもありません。稽古がきつくてつい逃げて来てしまいました」 近藤は豪快に笑う。 そしてその場に座って十六夜を手招きした。 十六夜は呼ばれるまま近付いていく。 そして縁側に二人で並んで腰を掛けた。