狂おしい赤と鈴の音に酔いしれてー前編ー




「どうかしたのかい?」



廊下を歩く近藤が十六夜の異変に気付いて声を掛ける。



十六夜はいつもの表情を作って、顔を上げた。



「何でもありません。稽古がきつくてつい逃げて来てしまいました」



近藤は豪快に笑う。



そしてその場に座って十六夜を手招きした。



十六夜は呼ばれるまま近付いていく。



そして縁側に二人で並んで腰を掛けた。