狂おしい赤と鈴の音に酔いしれてー前編ー




十六夜は竹刀を下ろすと踵を返してその場から走り去っていく。



永倉と原田は心配そうに土方と藤堂を交互に見ており、沖田と斎藤は十六夜が走って行った方向を睨んでいた。



「土方さん、すまねぇ。俺は最後の最後でビビっちまった。さっきのあいつの目は俺たちと同じ目だ」



顔を真っ青にする藤堂の話を聞いて、土方も十六夜が走って行った方を見る。



「やっぱり油断ならねぇな」



その声は十六夜と出会った時のものと何ら変わっていなかった。