狂おしい赤と鈴の音に酔いしれてー前編ー




十六夜と藤堂は向かい合うように立ち、竹刀を構える。



審判は永倉が務めることになり、二人は永倉の合図を待っていた。



しかし永倉が口を開こうとした直後、土方の声が遮った。



「おいてめぇら何してやがる!」



「何って稽古ですよ。十六夜さんだっていざって時に自分の身くらい守れないと話にならないでしょう?」



「だからってお前らな……」



「彼女だって刀を持ってるんですよ?戦う覚悟もなしにあんなもの持たれるのは僕なら嫌ですけどね」



沖田の言葉で十六夜の表情が曇る。



土方は呆れてため息を吐いていた。



「ったく、しょうがねぇな。くれぐれも怪我するんじゃねぇぞ。藤堂も手加減しろよ」



「分かってるって」



藤堂は軽く返事をすると十六夜を見る。



十六夜も藤堂へと視線を向け、二人の視線が交わった。