狂おしい赤と鈴の音に酔いしれてー前編ー




「それにしてもお前剣道は初めてか?」



「どうしてですか?」



「握りも構えも素振りの仕方もしっかりしてる。まるで初めてじゃないみたいだ」



それを聞いて十六夜は苦笑いする。



「実は初めてじゃないんですけど、実戦経験も少ないし、真剣での戦いなんてきっと無理だろうと思って言わなかったんです」



「なるほどね。じゃあ僕と試合しようよ。今どれくらいの実力があるか確認してあげるから」



沖田の発言でその場にいた十六夜以外の全員が顔色を変える。



「お前は手加減しないだろ!総司させるくらいなら俺が……」



「しんぱっつぁんも駄目だって。そのうち相手が十六夜だって忘れて本気出すに決まってる。やっぱり俺か左之さんがやった方がいいよ」



藤堂の意見を聞いて沖田と永倉は仕方ないと諦めた。