「お前の朝餉だ。昨日から何も食ってないだろう?」



「ありがとうございます。いただきます」



十六夜も座って握り飯を食べる。



美味しそうに頬張る十六夜を土方は微笑ましそうに見ていた。



そんな穏やかな雰囲気を壊すように足音が響いた。



「土方さん、十六夜さん、遊びに来ましたよ」



障子を豪快に開けて現れた沖田は土方が怒鳴り声を上げる間も与えず、沖田に興味なさそうに握り飯を食べる十六夜の腕を掴んで部屋を飛び出す。



取り残された土方は呆然と立ち尽くしていた。