新選組に入ってから一週間、十六夜が目を覚ますと今日も土方の姿はなく部屋は静かだった。



許可なく部屋を出ていいのか分からず、借りた布団を畳んで土方が戻って来るのを待つ。



どこで誰に見られているか分からない。



なるべく疑われないように部屋では大人していた。



度々感じる視線に気分が悪くなり、障子に手を伸ばす。



それと同時に障子が開いた。



「何やってんだ?」



不思議そうな顔をする土方を見て、十六夜はやってしまったと思った。



勝手に外に出ようとしたと思われてもおかしくない。



顔色を悪くする十六夜の頭に土方が手を置く。



「今はそれほど疑ってねぇから気にするな」



頭を二、三度軽く叩いて中に入る。



土方は文机の前に座り、畳の上に握り飯の乗った皿を置いた。