「お前にはここで寝泊まりしてもらう。男と同じ部屋じゃ心苦しいだろうが、他に部屋もねぇからな」



「分かりました。それに何より己の潔白を示すためですよね?」



十六夜がそう口にすると、土方は怪訝そうな顔をする。



「どういう意味だ?」 



十六夜は睨まれて臆することなく、答える。



「土方さんが私をここに置いた理由は分かります。私を怪しんでいるのなら、外に出すより傍に置いた方が見張りやすいから。それもきっと信頼できる仲間がいるからできることですよね。羨ましいです」



先程永倉が土方なら何とかしてくれると言っていたのを思い出す。



信頼関係があるからこそ、敵かもしれないと疑われている十六夜を傍に置くことができるのだろう。