少女が目を泳がせていると物静かそうな男と目が合う。
「三番組組長、斎藤一」
不愛想な挨拶をして斎藤は目を逸らした。
「そして最後に俺は副長をしている土方歳三だ。ここまでは分かったか?」
土方の問いに頷き返す。
「じゃあ次はお前についてだ。何か話せることはあるか?」
「私は十六夜(いざよい)と言います。詳しくは話せませんが、東北の故郷を出てここ来ました。身寄りはないです」
「他には?」
「今話せることは特にありません。話せるようになったらその時に話します」
「分かった」
土方が近藤に視線をやると、近藤は頷く。
「お前は俺の小姓としてここで生活してもらう。仕事の説明は俺が後でするからお前は残れ。他は全員解散だ」
土方の指示で各々部屋を後にする。
十六夜と土方の二人だけとなった部屋はやたらと静かに感じた。

