男の勢いに負けて尻餅を付く。



「おいてめぇ、どこ見てやがる」



男は睨みながら顔を近付けてくる。



男からは酒の強い臭いがした。



これは相当飲んでいるようだ。



酔っているせいで気が大きくなっているのだろう。



絡んでくる酔っ払いにどうしたらいいものかと困っていると、新たな男三人組が現れて男を抑えた。



「おいおいおっさん。周りに迷惑かけるのはよくねぇだろう?」



「大丈夫か、坊主。こいつは俺たちが何とかしておくから、お前はもう行っていいぜ」



一礼して、男たちの言葉通りその場を去る。



しばらく歩けば、先程まで後ろから聞こえていた男たちの声が聞こえてこなくなった。