「すみません。何で今までの生活が嘘みたいで、気が抜けてしまって……」



少女の可愛らしい笑顔を見て三人は和んでいるが、土方だけは相変わらず難しい顔をしていた。



それを見て少女は笑うのを止める。



「先程も言った通り私は明日京を発ちます。あなたたちが誰で、ここが何なのか聞くつもりもないし、興味もありません。もちろんここに泊めてもらおうなんて気もないです。これで疑いは晴れますか?」



少女の真っ直ぐな目を見て土方は背を向けた。



「今日はここに置いてやる。約束通り明日になったら出て行け。俺たちはお前に関わらない代わりにお前も俺たちに関わるな。それがここに置く条件だ」



「は、はい……?」



「ここの部屋を適当に使え」



土方はそれだけ言うと出て行った。