狂おしい赤と鈴の音に酔いしれてー前編ー




それに、の続きを待っていた十六夜は土方をずっと見つめている。



「それに、何ですか?」



続きが気になって十六夜が問いかける。



「何でもねぇよ」



十六夜の頭を豪快に撫でて、屯所の中に入っていく。



土方の後姿を見つめる十六夜は、自分の脈が少し速いことに気付く。



「十六夜」



名前を呼ばれて土方の方へ走っていく。



未だにドキドキと大きな音を鳴らす心臓を、走ったせいと誤魔化した。