門から出ると、少し寂しそうに屯所を眺める十六夜の姿があった。 屯所から出てきた土方に気付いて、すぐにその場を離れようとする。 「待て!」 土方に呼び止められて、足を止める。 しかしそのまま振り返ろうとはしなかった。 「何も言わずに出て行くつもりか?礼儀がなってねぇな」 「分かってますよね。私が今出て行こうとしている理由。分かっててそういう言い方するんですか?」 土方の皮肉に、十六夜は振り返らないまま答えた。