狂おしい赤と鈴の音に酔いしれてー前編ー




いつも通り十六夜が木の下で昼寝をしていると、男二人組がやってくる。



二人に腕を抑えられ、十六夜は当主の邸へと連れて来られた。



屋敷の前には人々が集まり、和泉を取り囲んでいる。



和泉の目の前に立たされた十六夜は、彼の冷ややかな眼差しに恐怖を覚えた。



「これより代替わりの儀式を行う。当主の候補者、名は十六夜。お相手は現当主である私、和泉がいたします」



そう周りに宣言してから、十六夜へと向き直る。



「お前も知っていると思うが、これはお前と俺の殺し合いだ。どちらかが死ぬまで終わらないし、逃げることも許さない。分かったら刀を抜け」



和泉は刀を抜いて、十六夜へと切先を向ける。